発売日 2019年10月19日
定価 ¥1,500 (税抜)
著者 ヤン ホンイン (文),エレーヌ・ルヌヴー (絵)
翻訳 中由美子
ISBN 978-4-901769-88-4
ページ数 32p
Cコード C8797
判型 23.5 x 5 x 23 cm
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紹介

シリーズ累計1億部人気作家の絵本が登場!

いま、中国の子どもたちに人気のある旬の絵本をおとどけする、中国絵本館シリーズ。第2作目も作家ヤン・ホンインと画家のエレーヌ・ルヌヴーのコンビが手がけた絵本です。ヤン・ホンインは中国でシリーズ累計1億部の人気作家。ある出版社の「2018年 子どもたちがいちばん好きな作家賞」も受賞しています。エレーヌ・ルヌヴーはフランス生まれの画家で、ヤン・ホンインと組んでたくさんの絵本を出しています。中国絵本館シリーズの第1作目『ともだちになったミーとチュー』では、ふたりのコンビによる、ネコとネズミのたのしいお話をおとどけしましたが、今回の絵本は少し趣がちがいます。
『木の耳』というふしぎなタイトルの作品は、文字どおり耳がはえてきた木のものがたり。「木の耳」とは日本でいう「キクラゲ」のこと。木にはえている形が耳に似ているので、中国では「木耳(ムーアル)」といいます。白いキクラゲは「銀耳(インアル)」ともよばれます。最近、日本で見かける生のキクラゲは「毛木耳(マオムーアル)」、日本名はアラゲキクラゲです。ヒメキクラゲ、タマキクラゲというのもあって、どれも食べられるそうです。
かれた木は耳を手にいれたことで、そとの音がきこえるようになります。木のうろで冬眠していたカエルや、木のそばですごした家族との思い出をたくさんもっているおじいさん牛、木が鳥の天国だったころの思い出を語るツバメのママ……。みんなの思いをきいた木は、もういちど生きたいと強くねがいます。そして……。最初のページの木と最後のページの木をくらべてみたとき、そのちがいに心が動かされます。
いっぽんの枯れ木が再生を果たすものがたりを彩るのは、エレーヌ・ルヌブーによるあざやかで緻密な絵。細部まで丁寧に描かれた絵は、よく見ると、例えば木の幹にいろいろな動物が隠し絵のように描きこまれていたりします。絵をじっくりと見た子どもは、たのしい発見に胸を躍らせることでしょう。また、『ともだちになったミーとチュー』に引き続き、翻訳を手掛けたのは中友美子さんです。中さんは読み物から絵本まで、中国の児童文学作品を多数翻訳されている、いわば中国児童書翻訳の第一人者。本書も、そんな中さんによる選び抜かれた言葉で訳されていて、読むだけでなく耳からきいても心地よい物語となっています。

著者/監修者/翻訳者紹介

ヤン・ホンイン (ヤンホンイン) (著/文)
1962年、四川省の成都に生まれ、19歳から童話を書きはじめる。小学校の教師、雑誌の編集者をへて児童文学作家に。「童話」シリーズや「学園小説」シリーズのほか、「いたずらっ子・馬小跳」(マ コシャオティアオ)シリーズ、「笑い猫日記」シリーズなど作品多数。どれもベストセラー。

エレーヌ・ルヌヴー (エレーヌ ルヌヴー) (イラスト)
1958年、フランスのシェルブール=オクトヴィル生まれ。フランス国立高等工芸美術学校(ENSAAMA)で学ぶ、ビジュアル・コミュニケーションを専攻。
香港に10年在住。現在はパリでイラストレーターとして活躍。2011年、初めての絵本『ともだち』を出版、2013年に中国語版刊行。

中 由美子 (ナカユミコ) (翻訳)
長崎市に生まれる。縁あって中国語を学び、中国の児童文学と幸せな出会いをして現在に至る。
著書に『中国の児童文学』(久山社)、訳書に『カバランの少年』『サンサン』(てらいんく)、『絵本西遊記』『よあけまで』『京劇がきえた日』『火城』『父さんが生きた日々』(童心社)、『パオアルのキツネたいじ』(徳間書店)、『学校がなくなった日』(素人社)ほか。

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