発売日 | 2020年05月 |
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定価 | 1500 |
著者 | ヤン・ホンイン・文 |
翻訳 | 中 由美子・訳 |
ISBN | ISBN978-4-901769-90-7 |
ページ数 | 32 |
Cコード | C8797 |
判型 | B5 |
在庫状況 | 有り |
カテゴリ | 新刊・近刊, 中国児童文学, 中国絵本館シリーズ, 児童文学, すべて |
本作『ゆめみるへや』の主人公は1匹の毛虫です。毛虫が主人公だなんて、と思われるかもしれませんが、エレーヌ・ルヌヴーの描く大きなまるい目をした毛虫は、表情がゆたかで愛嬌があります。毛虫は、花が咲きチョウチョが舞うむこう岸を目にして、自分もむこう岸へいってみたいという夢をいだきます。通りがかりのチョウチョに頼んでみましたが、意地の悪い返事しかもらえません。それでも、毛虫は夢をあきらめませんでした。やがて毛虫はさなぎになります。これを「ゆめみるへや」で夢をみると表現しているところに、作者のセンスを感じます。やがて「ゆめみるへや」から出てきた毛虫はチョウチョになっていて、夢にみたむこう岸へと渡ります。お話にはつづきがあって、主人公は昔の自分のようにむこう岸へいくことを夢みている毛虫に、「ゆめみるへや」をつくって夢を見たらいいとアドバイスします。主人公のやさしさに心があたたまるエンディングです。夢をあきらめないこと、みつづけることの大切さに、毛虫がさなぎを経て蝶になる過程を詩的に絡めて描いた作品は、ミクロな虫の世界を描きながら読み応えがあります。本作品も翻訳を手がけているのは、中国語翻訳の第一人者である中由美子さん。